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《昨日の投稿の続き》【2021年94冊目】C・コワルコウスキー、W・ウラガ、戸谷圭子、持丸正明『B2Bのサービス化戦略―製造業のチャレンジ』(東洋経済新報社、2020年)


前回の投稿では、本書で解説されている「BtoB製造業のサービス化」の概要を述べました。


個人的には、次の記述が本書の一番の肝だと感じます。


「サービスの生産性は、顧客とサービス提供者が、自身のリソースや生産・消費プロセスを互いに調整し合う相互学習体験を通して向上できる」(p208)


つまり、サービスとは企業が顧客に対して一方的に提供するのではなく、「相互に価値共創する」ものだということです。


ここからは、僕の頭の中でぐちゃぐちゃとしていることを書きます。読みにくい点はご容赦ください。


これまでの経営学は、2枚目のようなプロセスを前提としていました。顧客の課題を発見し、企業はそれを解決する技術や能力を獲得して、ソリューションを提供します。端的に言えば、「顧客に大きく足りていないものを企業が充足する」というわけです。


今はモノ余りの時代で、顧客が現状に満足していますから、顧客は自分が課題を抱えているとはあまり思っていません。


そこで、顧客の”潜在的な”課題を掘り起こす「提案営業」が重要だという話になります。しかし、提案営業も「顧客に大きく足りていないものを自覚させ、企業がその不足を埋める」という点では、伝統的な経営学の延長線上にあります。


これに対して、「顧客との価値共創」とは、お互いにとって価値がある関係です。僕はそれを友人関係になぞらえてとらえたいと思っています。3枚目のサイクルを説明すると次のような感じです。


以前にも少し書きましたが、友人関係には目的はありません。ただ単に、「こいつと一緒にいると楽しいから一緒にいる」という関係です。


友人とは遊びたくなります。伝統的な経営学における顧客とは、深刻な課題に直面した困窮者でしたが、友人とは「一緒にちょっと面白いことをやってみたい」と願うマイルドな冒険者です。


友人は、楽しそうなアイデアや道具を次々と持ち寄ります。「これが面白いよ」、「それなら僕はこれを持っている」、「だったらこれも追加しよう」といった具合に、面白さを次々と拡張していきます。


遊びには目的がありませんから、その広がり方は非常に場当たり的です。


その過程で、面白さに惹かれた他の友人も集まってきます。伝統的な経営学では競合と位置づけられた他社さえも巻き込んでいきます。競合も、自社と同じように面白そうな道具(製品・サービス)を持っているからです。


そして、思いっきり遊びます。人間関係を楽しみます。


楽しんだ後は、友人との間で感情を共有します。「これがよかったね」、「あの瞬間にすごく気持ちが高ぶったよ」、「君には意外な一面があるんだね」などと、思い出を語り合います。


その話は、さらに新たな友人を惹きつけます。「へぇ、楽しそう」、「うらやましいなぁ」、「自分も参加してみたかった」と思う人が寄ってきます。


友人が増えれば、また新しい楽しさを追求してみたいという気持ちになります。こうして、遊びのサイクルがどんどん回っていくわけです。


友人と一緒にいること自体に意味を見出す関係こそが、サービスにおける「価値共創」だと僕は考えています。


自分で書いておいてなんだけど、このコンセプトレベルの話を「新しい経営学」、とりわけ「新しい日本的経営」としてまとめるのは結構な難題だなぁ(苦笑)。


とりあえず、4枚目のように、「伝統的な経営学が前提としていたこと」と「新しい日本的経営が前提とすること」を10個並べてみました。


右側の10か条、皆さんはどのくらい共感できますかね?


まぁ、時間をかけて文章化しますよ!


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