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本書を改めて読み直してみて、第6章の「自らをマネジメントする」からヒントを得ることができました。


組織が成果を上げるためにマネジメントを必要とするように、これからの時代においては、個人もまた成果を上げるためにセルフマネジメントが重要になるとドラッカーは言います。


①自分とは何か、強みは何か、②所を得ているか、③果たすべき貢献は何か、④他者との関係における責任は何か、⑤第二の人生は何か、という5つの問いがカギを握ります。


①の内容を要約すると、人生の目的、強み、大切にすべき価値観という3つを明らかにすることです。そうして初めて、所=キャリアの方向性が見えてきます。


この順番が、僕にとって示唆的でした。


企業の戦略を検討する手法には、「外発的アプローチ」と「内発的アプローチ」という2つがあります。


外発的アプローチとは、企業を取り巻く外部環境を客観的に分析して、考え得る事業機会を可能な限り洗い出し、その中で自社にとって最も魅力的なものを選び取る、というものです。


ここで問題になるのは、何をもって最も魅力的と判断するのか?ということです。


僕の実務経験からすると、自社の経営理念に合致しない選択肢は、どんなに売上や利益が期待できたとしても、結局は却下されてしまいます。


要するに、経営理念が最大の基準になっているのです。


ならば、最初から経営理念を戦略立案の出発点にした方が話は早いはずです。そして、主観的な経営理念から出発して戦略を構想する手法を「内発的アプローチ」と呼びます。


一般的に、経営理念はMVV(Mission、Vision、Values)という3つからなると言われます。


しかし、僕はこの3要素の論理的関係性をいまいち上手く説明できません。


僕自身は、経営理念を次の3つの要素でとらえています。


・目的=我が社は究極的に誰のどんな課題を解決するために存在するのか?


・強み=目的を他社よりも効果的に実現するために武器となるものは何か?


・行動規範=強みを活かしながら目的を達成する上で、重視する価値観は何か?


ドラッカーが本書の中で、個人のキャリアを検討するにあたり、人生の目的、強み、価値観という3つを明らかにするべきだと述べたことと符合します。


結局のところ組織とは人間の集合体ですから、個人レベルのキャリアと組織レベルの戦略を構築するプロセスは合致させた方がよいでしょう。


個人レベルでは主観的に発想するのに、個人が集まった組織レベルでは客観的な分析を重視するというのでは、我々は精神分裂を起こしてしまいます。


企業は、自社の歴史や経営陣の個人史を振り返りながら、経営理念を形にしていきます。


目的を明らかにするには、企業として、あるいは経営陣が個人的に「この人のことは何が何でも絶対に助けたい」と強く共感した原体験を洗い出していきます。


強みを明らかにするには、これまでに上手く行った事業、苦労の末に成功にたどり着いた案件などを棚卸しし、成果をもたらした組織的な要因を掘り下げていきます。


行動規範を明らかにするには、過去に重要な意思決定が求められた局面でどんな価値基準に従ったか、深刻な失敗を犯した際にどんなことを学習したかを整理していきます。


目的、強み、行動規範はいずれも、まず思いつくままに列挙します。その上で、目的ー強みー行動規範が整合するセットを特定します。その際、


・目的と強みは矛盾しないか?強みを活かせる目的となっているか?


・強みと行動規範は矛盾しないか?行動規範は強み発揮の足かせになっていないか?


・目的と行動規範は矛盾しないか?目的は行動規範の価値を十分に反映しているか?


といった問いを繰り返します。


個人レベルの話になりますが、ドラッカーは本書の中で、自分の強みと価値観が矛盾していたというエピソードを明かしています。


ドラッカーは若い頃に証券アナリストを務めており、数的分析に長けていました。しかし、ドラッカーが本当に関心を寄せていたのは、金ではなく人間でした。


この点で、強みと価値観が矛盾していたのです。ドラッカーは価値観の方を優先し、価値観に沿った仕事ができるよう、新たな強みを開発したそうです。⁡

こうして経営理念が形になったら、それをベースに戦略を作っていきます。


戦略とは、「誰に、どんな製品・サービスを、いかなる差別化要因で提供するのか?」という構想です。


経営理念と戦略は、以下のように密接に関連しています。


・目的がターゲット顧客を規定する。目的を実現する上で、優先すべき顧客は具体的に誰か?


・強みが製品・サービスを規定する。顧客ニーズを充足する上で、自社の強みを最もよく活かせる製品・サービスは具体的に何か?


・行動規範が差別化要因を規定する。行動規範に従いながら、いかにして競合他社と差別化するか?


…と、大まかな論点は見えてきたので、経営理念や戦略を実際に組み立てる経営陣向けのワークショップを設計してみたいですね。


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