空と雲 おはよう引用

僕が隔月で受けているコーチング、4月が6回目でした。今回はまず、「人生の輪」というワークに取り組みました。

仕事・キャリア、お金・経済、健康、家族・パートナーシップ、人間関係、学び・自己啓発、遊び・余暇、物理的環境という8つの要素について、現在の満足度を10点満点で採点するというものです(図の著作権が第三者にあるので、文章で説明している点をご容赦ください)。

僕は元々ネガティブな性格であることから、全体的に辛めの点数をつけてしまうのですが、中でも健康、人間関係、学び・自己啓発、遊び・余暇の点数が低めでした。健康の点数が低いのは慢性的な腰痛のためであり、遊び・余暇の点数が低いのは、趣味らしい趣味がなく、普段あまり遊んでいないためです。

ただ、この2つの低得点はそれほど問題視していません。それよりも、人間関係と学び・自己啓発の得点の低さが気になりました。

僕はかねてから、「伝統的経営」や「アメリカ型イノベーション」に対して、「新しい日本的経営」なるものを構想しています。

「伝統的経営」とは、創業者や経営者の原体験に基づく経営理念の実現に向けて、顕在化している、あるいは顕在化しつつある顧客ニーズを充足するための戦略を論理的に構想し、実行する、というものです。

「アメリカ型イノベーション」とは、従来の顧客の消費行動や業界の慣習を否定し、イノベーターの強みを活かして、グローバル規模で新しい標準・規範・ルールを打ち立てることを通じ、これまでにない市場や産業を創造する経営です。

これに対して、「新しい日本的経営」とは、明確な経営理念や突出した強みがなくとも、限られた手持ちの資源、とりわけ人とのつながりをベースに、偶然の出来事を直観的に活用しながら、予期せぬ方向へと事業が展開することを楽しむような経営のことです。

「新しい日本的経営」を探索するには、僕自身が人とのつながりを大切にし、何か新しい物事を起こして実践を積み重ねる必要があります。それがまだ十分にできていないので、人間関係と学び・自己啓発のスコアが低くなっているというわけです。

「新しい日本的経営」に限った話ではないですが、それなりの成果を創出しようと思ったら、誰かと一緒に協働することが欠かせません。1人でできることには限界があります。

昔、インドに天才と呼ばれた数学者がいました。彼は一匹狼でした。彼が生涯をかけて数学を研究した結果到達したのは、2次関数だったと言います。2次関数は、今や中学生でも理解できる内容です。どんなに天才でも、たった1人ではさしたる業績を上げられないことを示すよい例です(この話は妻から教えてもらいました)。

前回のコーチングでコーチに話したことを繰り返すと、僕は自分が住む土浦駅近辺の活性化にもっと貢献したいと考えています。しかも、「伝統的経営」や「アメリカ型イノベーション」ではなく、「新しい日本的経営」によって、です。

茨城県は、都道府県魅力度ランキングで毎年最下位争いをしています。ところが、実際に土浦市に2年近く住んでみると、面白いスポットや資源がたくさんあることに気づかされます。ただ、それらが点在していて、面になっていないのがもったいないと感じます(同じ問題意識を口にする人が結構いることも知りました)。

僕は、それらを偶発的につないで、予想外の展開で土浦駅近辺を盛り上げていくことができればと思っています。

ここでコーチは、3つの問いを僕に投げかけました。まず、「谷藤さんが目指している世界に”名前”をつけてみてはどうか?」と言いました。僕が日常生活の中で常にゴールイメージを意識できるようにするためです。

僕は「出会いの相乗効果」、「ゆるふわなつながり」といったアイデアを出しました。しかし、何となく堅苦しく、また、偶然がうねりを生むような動力を感じません。こういうネーミングセンスが絶望的にないのが僕の弱みの1つでもあります(苦笑)。

コーチからは、「ありきたりかもしれないけれど、『わいがやな世界』はどうか?」との提案を受けました。人々が集まって、たわいもない話がポンポンとつながり、面白そうだからやってみよう!とエネルギーが高まっていく―「新しい日本的経営」を表すのにぴったりな言葉でした。

わいがやな世界は、コミュニケーションを重視する世界です。近年は様々なテクノロジーが指数関数的なスピードで進化しており、仕事がどんどんと効率化されています。コミュニケーションなしでも仕事が成立するかのような錯覚に陥ることもあります。

こういう状況において、敢えてコミュニケーションの重要性を説くことは、とりわけZ世代にとっては時代錯誤に映るかもしれません。しかし、人間社会である以上、最後まで残るのが人と人とのコミュニケーションであろうと予測します。

そのコミュニケーションを面倒臭がってはいけない、むしろ、コミュニケーションこそが楽しいと思える世界にしようというのが、僕から今の若い人たちに対するメッセージでもあります(「今の若者は…」などという話をするようになった僕は、随分と歳を取ったものです)。

次にコーチは、「人とつながるためには、谷藤さんから相手に何かを差し出せるようになるとよいのですが、谷藤さんは何を相手に与えることができますか?」と尋ねました。

要するに、僕の強みは何か?ということです。実は、この手の質問を僕は非常に苦手としています。というのも、僕は何か特化した技術や知識を持っているわけではないからです。経営コンサルタントとして、一応は事業戦略立案、マーケティング、法人営業力強化などが得意だとは言っているものの、それぞれの道を極めている人たちには遠く及ばないと認識しています。

唯一、お客様からよく言われるのは、「谷藤さんと話していると頭の中が整理された」、「次にやるべきことが見えてきた」ということです。僕は「壁打ち相手」としてそれなりに評価されているみたいです。

僕はこれまで、壁打ちにどれほどの価値があるのか、あまり自信を持つことができていませんでした。しかしコーチは、新しいことをやろうと考えている人が谷藤さんと一緒になることで少しでも前に進めるならば、それは大いに価値があることですよ」と励ましてくれました。

組織文化の研究で知られるエドガー・シャインは、支援者には「専門家タイプ」、「医師タイプ」、「プロセス・コンサルテーションタイプ」の3つがあると言っています。

専門家タイプとは、クライアントの疑問に対して、正確な知識を供給するものです。クライアントは問いを知っており、専門家はそれに対する答えを知っている、という関係です。

医師タイプとは、もやもやを抱えているクライアントの問題を特定し、その解決策を処方するものです。クライアントは問いを知らず、医師が問いを投げかけることで、自分の専門領域内の答えへと誘導していきます。

プロセス・コンサルテーションタイプにおいては、クライアントも支援者も問いを知りません(必然的に答えを知りません)。一緒に問いを考え、一緒に答えを創造していきます。

専門家タイプは、インターネットで情報が自由に手に入る現代においては、さらに生成AIの急速な発達が確実視される今後は、居場所を失っていくでしょう。

医師タイプは、支援者とクライアントとの間に圧倒的な知識量の差があることを前提としており、支援者とクライアントとの間に上下関係が生まれます。よって、個人的にあまり好きではありません。

壁打ちは、プロセス・コンサルテーションに該当します。非常に地味なアプローチであり、回りくどく、飛躍的にクライアントがよくなるとも限りません。それでも価値があるというコーチの言葉を信じて、今後もこのスタイルを貫いていきたいと思います。

最後にコーチは、「『わいがやな世界』の実現に向けて、『壁打ち』という谷藤さんの価値を提供するために、具体的に誰に会いに行きますか?」と聞きました。僕は、今まで何となく人脈を広げたいと思っていただけで、具体的なアクションを起こしていませんでした。

僕は、人脈を広げられそうな場をピックアップし、2か月後の次のコーチングまでに、それらの場に顔を出すことをコーチと約束しました。コーチングが終わってから僕が洗い出したアクションが以下の4つです。

◆土浦商工会議所の青年部に入会する
土浦商工会議所には入会済みなのですが、若手経営者や後継者が多く参加している青年部にはまだ入っていません。僕が通っている理髪店のマスターからも入るように勧められていたのに、未だ実行に移せていません。今度こそ入ります。

◆「城藤茶店」に通い続けてみる
家からそう遠くない距離に、古民家を再生してできた城藤茶店というカフェがあります。2年前の街ゼミでは、土浦のまちづくりについて語る場を開いていたと記憶しています。よって、もしかしたら、店主がまちづくりに強い関心を持っているのかもしれません。

◆生涯学習センターの講座に出てみる
生涯学習センターの春期講座に、起業家を育成するコースがあることを知りました。僕は、土浦駅近辺でもっと起業家を増やしたいと願っています。このコースに参加することで、地域で起業を目指す人たちとのつながりが持てそうです。

◆中心市街地活性化基本計画策定委員会に顔を出す
コーチング後に届いた「広報つちうら」を見ていたら、5月に市役所でこんな委員会があることが解りました。多くの自治体は中心市街地活性化基本計画を定めていますが、土浦市のまちづくりの狙いについて知るよい機会になりそうです。

コーチはいつも、僕がやりたい、やらないといけないと思いながら進んでいないことについて、身近なところから着手できるよう後押ししてくれるので、とても助かっています。

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