

最近、「土浦市にもっと観光客を呼び込むことができないものか?」とぼんやり考えています。そこで、岩崎邦彦(2019)『地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書』(日本経済新聞出版社)を読みました。
◆21世紀の観光マーケティングで大切なのは、「是非、来てください」という売り込みや誘致=「押す力」ではない。観光客が「是非、行きたい」と思えるように、観光客を惹きつける「引く力」である。
◆観光客を誘引するのは地域の「ブランド」である。ブランド力に統計的に有意な影響力を与えているのは、影響力が大きい順に、「明確なイメージ」、「ならではの食」、「接客」、「歴史文化」、「体験」、「リラックス」、「交流」である。
◆地域に明確なイメージがあるかどうかは、「『(地名)+らしさ』とは何ですか?」という問いに答えられるかどうかで解る。北海道、京都、東京、大阪、沖縄などはイメージが湧く一方で、群馬、栃木、茨城、埼玉、佐賀などはイメージが湧かないという調査結果がある。イメージが湧かなければ、観光客から選ばれない。
◆強いブランドには、尖りがある。調査によると、京都は「伝統」で、北海道は「おいしい」で、沖縄は「海」で、東京は「活気」で尖っている。反面、栃木、埼玉、茨城はいずれも尖りがない。
◆2番手では選ばれない。ブランドになるためには、どこかで1番になる必要がある。北海道のじゃがいも、富士山、琵琶湖、静岡県のお茶は「行きたい、飲みたい、食べたい」と思う人の割合が高いものの、長崎県のじゃがいも、北岳、霞ヶ浦、鹿児島県のお茶は「行きたい、飲みたい、食べたい」と思う人の割合が低いことを調査は示している。
◆「色々あれば、どこかに観光客は引っかかるだろう」という足し算思考や、「全てのエリアをパンフレットなどに平等に掲載しよう」という平等主義では、ブランドは生まれない。ブランドを生み出すのに大切なのは、「引き算思考」と「メリハリ」である。つまり、観光客に訴求するポイントを敢えて絞ることである。
◆観光客数という「量」を追求すると、オーバーツーリズムのような問題を引き起こす。そのため、これからは「質」の追求へと発想を転換しなければならない。
◆「質の観光」とは、観光客に①長く滞在してもらう、②リピートしてもらう、③地元消費してもらうことである。分析の結果、「滞在志向・リピート志向」の観光客は、「リラックス」、「食・グルメ」、「出会い・交流」を重視していることが判明した。一方で、「知識教養型観光」、「体験型観光」、「自然」は、どちらかと言うと「周遊志向・非リピート志向」の観光客が重視する項目である。
9月の頭の話になるのですが、この本を読むのに先立って、8回目のコーチングを受けました。僕は「土浦市の観光のポテンシャル」について、コーチの意見を聴いてみることにしました。
★正直なところ、土浦市のことは車のナンバーでしか見たことがない。土浦市が湖面積第2位の霞ヶ浦に面しており、霞ヶ浦サイクリングで町おこしをしようとしていることも知らなかった。
★(土浦市はれんこんの生産量が日本一だが、)れんこんは果物に比べると渋いイメージがある。熊本のからしれんこんのように、れんこんを使った食べ物があったらよいと思う。
★霞ヶ浦のSUPやジェットスキーがもっと盛り上がればよい。バレルサウナ(バレル=樽型をしたフィンランド発祥のサウナ)があって、サウナに入った後に湖に飛び込めると面白い。
★霞ヶ浦のサイクリングロードの途中にセルフキャンプ場があって、そこで自分で釣った魚を食べられたら楽しいであろう。ヨーロッパ人が好みそう。土浦市は「日本人はあまり知らないが、ヨーロッパ人には非常に知られている」(盛岡のように)というポジションを目指すのも1つではないか?
★「『この場所に行きたかった』という気持ちが行く前に”セットアップ”されている」ことが重要である。加えて、現地に到着したら「歓迎されている感」を味わいたい。目的地が「さびれている」と感じてしまったら、旅行の満足度は大きく下がる。
書籍とコーチの話を総合して、僕なりにこんなことを考えました。
①茨城県は「中途半端に色んな資源を持っている」ため、尖りを作ることが難しい。「茨城らしさ」を一言で表すのは困難である。
ただ、「栃木らしさ」や「群馬らしさ」はイメージしにくくても、「日光らしさ」や「草津らしさ」ならイメージしやすいように、県単位のイメージは曖昧でも、特定の市町村単位でなら明確なイメージが醸成されている場合もある。よって、「土浦らしさ」の構築を優先する。「土浦らしさとは何ですか?」という問いに、多くの人がはっきりと答えられるようにする。
②目的はともかく、手持ちの資源(手段)を活用して事業をスタートするという「エフェクチュエーション」に従えば、土浦市が現在既に進めているサイクリングによる町おこしには僕も賛同したい。
しかし、サイクリングロードで最も有名なのは「しまなみ海道」であろう。霞ヶ浦サイクリングの知名度は2位以下に甘んじており、観光客に選ばれにくい。「サイクリング×○○」という掛け算でオンリーワンの地位を築きたい(○○に入るのは何か?土浦市がれんこんの生産量日本一だからと言って、安直に「れんこん」を入れればよいのか?)。
③サイクリングロードを前面に出すとしても、それは「自然」、「体験型」の旅行であり、滞在志向・リピート志向の観光客を上手く取り込めない恐れがある。サイクリングロードの道中に、おいしい食事が楽しめる場所、リラックスできる場所、地元の人と交流できる場所を作り込む必要がありそうである。
④まず、誰をターゲットとするのか?コーチはヨーロッパ人という選択肢を示したが、個人的には何よりも東京の人に訪れてほしいと思う。都内から土浦駅までは、常磐線を使って1時間半程度で来ることができる。「都内での忙しい仕事や人混みのことを忘れて、リフレッシュできる空間」を提供したいところである。
⑤あまりこういうことは言いたくないのだが、僕が2年ほど前に土浦市に引っ越してきた時、飲食店に入ると怪訝そうな顔で対応されることが少なからずあった。ある人曰く、「土浦市のお店は、初めての人には冷たい」そうだ。観光地を目指すならば、こうした態度は改善していく必要があるだろう。町全体で観光客を前向きに迎え入れる雰囲気を醸成しなければならない。
(※)雑駁な文章でスミマセン。最近、文章力が落ちているような気がします(苦笑)。
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